2.5回目:距離適性(後編)

さて、相変わらずスローペースですが、距離適性の続きです。
前回では距離適性の概要的な話を中心として扱いましたが、今回はある程度、実践と理論に関するお話を。

距離適性の例外

さて、前回、距離適性は、攻撃命中回避防御の全てに影響すると述べましたが、例外も存在します。それは、スキルの威力です。攻撃スキルや追撃スキルの威力は距離適性の影響を受けません(いずれお話しするかもですが、スキルの威力はスキルレベルにのみ依存します)。
スキルは基本的に必中ですし、距離適性の低い距離であっても威力が下がらないという性質から、スキル中心で戦う場合には、距離適性の影響はやや小さいと言えるわけです。もちろん、回避や防御は下がりますので、距離適性の高い距離で戦う方が強いのですけどね?しかし、スキルを攻撃に使用せず、もっぱら通常攻撃の攻撃力で攻める攻命型(攻撃と命中を極端に高めた型)と比較すると、影響は小さいと言えるのですよ。

距離適性は序盤ほど大切

これには2つの理由があります。
1つ目は先ほどの通り、距離適性の例外としてスキル攻撃があるためです。ある程度成長するに伴ってSPレベルが上がっていくことで、ダメージソースとしての割合が(型にも依るが)通常攻撃主体からスキル主体に変化していくことで、相対的に見て後半ほど距離適性の影響が小さくなるということが挙げられます。
2つ目は初期状態での素体の攻命回防の性能は一定であり、武装の数、重さの制限も低ランクほど厳しいからです。まず、素体の性能に関してですが、LPやSPと違い、素体やCSCのセンスは初期能力値には影響しません*1。そのため、殆どの能力が低い序盤は差別化要素が小さいのです。同じように武装の数や重さも制限されることによって、武装による差別化も難しくなっています。
このように、素体の能力に関しても、武装の工夫に関しても差が小さいため、なおのこと序盤は距離適性の影響が大きくなるのです。もちろん、後半になっても距離適性の影響は大きいですし、常に意識するに越したことはないのですが、序盤はさらに影響が大きいと言えるのです。

距離適性上下の法則

さて、実際の距離適性の上下に関する数字に関してです。それほど難しくもないですが、苦手or面倒ならスルー推奨です。
まず便宜上、各距離での攻撃回数を(近,中,遠)と言う形で数字を当てはめて考えるとしましょう。例えば(7,2,1)だと、近距離で7回、中距離で2回、遠距離で1回攻撃したということです。
距離適性は、戦闘後の評価にて褒めた場合に一番多く武器を使った距離の適性が上がり、少なかった距離の適性が下がります。また、叱った場合は一番多く武器を使った距離の適性が下がり、少なかった距離の適性が上がります。
(7,2,1)の例ですと、一番多く武器を使った距離は近距離で、少なかった距離が遠距離です。この場合、褒めたならば、近距離の適性が+1、遠距離の適性が-1されます。また、叱った場合ですと近距離の適性が-1、遠距離の適性が+1されます。
では、(2,2,3)の場合はどうなるか。この場合、褒めると一番多かった遠距離が+1され、少なかった近距離と中距離が同じ回数のため-0.5ずつされます。叱った場合は、近距離と中距離が+0.5ずつとなり、遠距離が-1されます。多かった回数が同数の場合も、そちらが+0.5、-0.5されます。
では、(0,0,0)とか(1,1,1)とか、3距離が全部同じ回数だった場合はどうなるか。この場合は、褒めても叱っても距離適性には影響がありません*2
初期状態は全ての距離の距離適性は0から始まりますので、戦闘毎の武器の使用回数と、そのときに与えた評価をきちんと記録するか、あるいはそれから導出した距離適性の変動を記録していくことで常に距離適性を把握することが可能です*3。まあ、私は面倒くさがりなので、そこまできちんと付けていることは少ないですけど…。
一応、感覚としては、例えば遠距離のみで戦わせ続けたら、遠距離以外の距離は0からなら20戦、+10からでも40戦で-10まで下がってしまうということを覚えておくと良いのではないでしょうか。セットアップしてBを抜けるまで順調なら40戦程度。また、Aに上がってからSに抜けるまでも40戦を下回ることはまず無いでしょう。そして、それくらいの期間で、十分に距離適性は偏り切るということです。

距離適性の上げ方色々

さて、変動の法則を踏まえて、良くある距離適性の調整の仕方についてまとめてみましょう。
まず、下限が-10であることを利用して2距離を+10、1距離を-10にすること、これが現在の1つの理想型でしょう。このタイプは2つの距離で戦えるという利点の他、維持しやすいという利点が挙げられます。タイプとして近距離と中距離、中距離と遠距離、近距離と遠距離が高い状態の3つが考えられます。
これらの状態にするためには理想で言えば20戦あれば可能です。例えば、上げたい2つの距離で同じ回数だけ攻撃させて20戦褒め続けるか、上げたい距離片方を一番多く、もう一方を次に多い状態にして10戦、さらに多さを逆転させてさらに10戦、あとは、上げたくない距離の武器だけ持たせて叱り続けるか。しかし、理想と言った通り、これらはいずれも問題があります。
まず、上げたい2つの距離の攻撃回数を均等にして戦わせ続けるというのはもはや曲芸、不可能ですな。上げたい2つの距離の攻撃回数が交互に入れ替わるようにと言うのは、武器の好みなどで一方の偏り始めるとどんどん偏る方向に進むので、これまた結構難しい。叱る方法は楽だけど、叱り続けることでAIに与える影響は計り知れないので(簡単に言うと何やってもダメと評価するわけで、戦い方が定着せず迷走しやすい)オススメはしません。
そこで、よく言われる方法が、上げたい距離のみで攻撃できる武装にして、2つの距離を交互に上げる(1つの距離は完全に+10まで上がらないが0.5程度は誤差範囲と言うことで)。これだと、2戦して上げたい2つの距離が合計で0.5ずつ上がるため、上げきるまで約40戦ほど必要になります。
流石にそれは面倒なので、中距離ともう一つの距離を上げたい場合によく使うやり方が、先に遠い方の距離(近中なら中、中遠なら遠)を+10まで上げてしまい、近い方の距離でダウン値の大きめな武器で攻撃し、遠い距離に押しだしそこに追撃を当てるやりかた。追撃だけ遠い方の距離でヒットさせることで、遠い方の攻撃回数を稼いでおくというやり方です。まあ、うまくいかないこともありますが、上手くいくと遠い方の距離適性の上げ直しに必要な回数が減らせられるので。これだと、理想通りだと25戦程度で上げきることができます。
さて、こうして、2つの距離を上げきったなら、あとは定期的に維持するのがいいでしょう。そのうちの片方でのみ戦った回数が2回続いたら、下がった方の距離適性を1回ミッションで調整する、という感じです。まあ、実際にはかなり面倒くさいのですが…昔の(全距離+10が維持できた頃の)不動要塞などで丁寧に育てた場合はやってましたので、やって出来ないことはないです。
ちなみに、2距離特化以外に考えられるものもいくつかありますが…いずれも実用性は低いです。
1つは、1距離特化2距離0です。これは、2距離特化から下がりきった距離と特化を維持したい距離で2:1の割合で褒めていけば、大体その状態に持って行けます。ただ、特化した距離で戦うことが多いでしょうから、維持するのが極めて大変で、1戦する毎に2戦調整とかが必要になります…(叱っても良いですが…やはりオススメできません)。
もう1つは、全距離微妙にプラスです。これは、2距離特化で距離適性の合計値が+10に触れているのを3距離に均等に再配分したという…。つまり、2距離特化から下がりきった距離だけで10回ちょっと褒め続けるという方法です。実際に色んな距離で戦わせておけば、比較的維持もしやすいですが…1距離特化や2距離特化相手に相手の距離で付き合って戦うと、普通に分が悪いですので…*4

後書き

さて、長くなりましたが距離適性に関してはこんなところでしょうか。
次は何にしましょうかねぇ。なるべく始めて早い段階で遭遇する問題?というか躓きやすい要素から扱っていきたいところなのですが…。上手く扱えるかは分かりませんが、準備と硬直、ダウン値とスタン値、押し出しといった近接武器での差し合いに関する説明が必要ですかねぇ…。最近は竹刀が流行っていて対処が難しいという声もありますし。

*1:たまに誤解されていますが、センスはレベルが上がった際の内部数値の上がりやすさに影響しているだけで、レベルの上がりやすさにも影響していません。そのため、LPSP以外は表面的には違いが見えません。

*2:褒めたり叱ったりは距離適性だけではなくAIにも影響します、この場合に影響がないのはあくまで距離適性だけです

*3:某所本スレでそれに利用できるツールが公開されてましたねぇ

*4:相手の得意距離を回避という思考にする手もありますが、この思考は往々にして素直に攻撃していれば良いものを後手に回って負けたり、謎行動に繋がったりするため、一般に絶対に許してはいけない思考No.1と考えられています。