最近気になるもの

個人的な事情として、ネット環境がない期間が長かったこともあり、大分久しぶりになりますニュース関連の話題。それなりに気になるものも多く。

土俵際のテレビ業界、ニュースを守れ

まずはこちら。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20081126/115391/
スラッシュドットでも少し前に話題になっており、コメント数も中々多め。
http://slashdot.jp/askslashdot/article.pl?sid=08/12/01/1427213
少し、切り口に違いを感じますが、一言で言えば新聞やテレビといった既存メディアの不振に関するお話。
まず、断っておくと、私はほぼ全くテレビを見ません。見る時間があまりないのもありますし、テレビを見るくらいならテレビゲームをしているかPCと向き合っている方が楽しいというタイプだからです。あるいは、テレビが居間にしか無かった時代にファミコンスーファミをプレーする時間が両親のテレビ視聴で削られることが苦痛だったからかも知れません。なので、個人的な感情という意味で言えば、テレビ業界に対しては直接的にはどうでもいいか、あるいは批判的なスタンスを取ることが多いと思います*1。例えば自分の過去の日記でもテレビ批判してますしね。ただ、今回に関して言いますと、そういう話じゃないなぁ、と。上記の記事のコメントでも視聴者の視点でテレビ業界を叩く内容がほぼ全てでしたし、そのような批判には私自身概ね同意しますし、そのような批判をするのも気持ちの良いものなのだとは思いますが、やや論点がずれているように感じました。
というのは、語られているのが主に収益の悪化、すなわち広告料の減少というのがメインだということです。視聴者が既存メディアを見放したのではなく、産業が広告媒体として既存メディアから引き上げようとしている、ということだからです。問題は、何故産業(というか企業)が広告を引き上げているかです。企業が、視聴者の既存メディア離れを理由に広告媒体としての価値が低下していると認識しているということならば、視聴者の視点から既存メディアを批判することに意味はあるのでしょうが、私には企業の視点がそのようなところにあるようには思えないのです。
では、企業が広告を引き上げている、あるいは広告に対する投資を減らしている原因はなんなのか?そこが気になるわけで…。すぐに思いつく、あるいは語られるのは景気悪化でしょうが…では、かつてのバブル崩壊時やネットバブル崩壊時などにも同じような現象は起きたのでしょうか?その部分に関するソースによる裏付けはありませんが…私の知る限りは、かつて今回のようなニュースは聞いたことが無く、ニュースにも朝日新聞が初の赤字転落などと、書かれているわけで。もちろん、今回の金融危機に端を発する景気悪化は先行きが見えない、世界規模の停滞・縮小となりかねないという点での危機感が強いのかも知れません。しかし、金融危機自体が今年の後半の話題であり、それが、すぐにメディアの経営を直撃するほど速いスピードで波及したのでしょうか?そうではないと思うのです。
では、どう考えるか。そもそも、企業が内需の縮小を以前から実感しており、国内市場に対する期待感が薄れていたことの現れなのではないかと思っています。まあ、具体的にそれを示す根拠があるわけでもないのですが、昨今の外需頼りで回復していた景気を鑑みるとそう思えるというお話です。
国内市場の縮小に関しては、企業の収益は回復したが一向に従業員の給与が上がらないからだ、という批判もあります。まあ、一従業員としては、給与が増えれば嬉しいのですけど、この主張もどうかなぁ…と思ってます。もちろん、給与が増えないから消費が増えないという側面もあるのでしょうが…それよりは、高齢化問題というか、もはや老後しか眼中にない団塊の世代が消費しなくなってきたという、構造的な問題なんじゃないかなぁ…と思うわけです。
私自身は、自分の世代を、「団塊ジュニアの食べ残し」の世代だと思っております。主に商品のマーケティングのターゲット的に、常に食べ残しを与えられてきた世代というか、貧乏くじを引いてきたというか(例えば所謂10代をまさに灰色の失われた10年の間に過ごしたとか、就職はまっとうに進んだ者にとっては超氷河期だったとか)…そういう意識がやや強いのです。同様に、今の10代以下の層というのは、全て平成生まれであり、いわば「昭和生まれの食べ残し」の世代なのではないかと…。今回のニュースは、そういった世代を含めて、将来に希望が持てないこと、それを象徴する話なのではないか…なんとなくそのようなことを思いました。

*1:その辺の傾向の方は、同じような人種が多いからか、スラッシュドットでもやや多く見られる気がします