総選挙が延期されるわけ

http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20081003AT3S0201R02102008.html

今朝の日経新聞の朝刊で拝見した上の記事。当然紙面上ではもう少し詳しい内容が書かれていましたが、大筋は上の通りです。つまり、今解散すると負けるという自民党内の世論調査結果みたいなのが出回ったので、弱気になっているというお話ですね。まあ、腐ってますなぁ。一方で、待っても良くなる目処は立たないのも分かっているのでしょうが、それでも負けると分かっていて選挙に向かいたい議員は居ませんからね。紙面上では、最後にある自民党議員の言葉として、勝てると出た議員は今すぐ解散して欲しい、負けると出た議員は先送りにして欲しいと、党内自体が真っ二つになりかねない、と。つまり、待てば状況が悪くなりかねないという認識もあるのだと思われます。それはともかく、党全体としては負けると出ているときに解散総選挙という選択肢は無いと言うことなのでしょうね…。

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/column/tahara/081002_78th/

また、こちらを見ていると麻生首相の苦しい内情も見えてきますが…一方で、自民党内が解散に踏み切れない中で、首相は首相でそれを良いことに、やりたいように推し進めようとしているように見えます。しかし、麻生首相も国民の信任を得ないまま好き勝手やればやるほど国民の評価は厳しくなっていくと思うのですがねぇ。

一方で、解散総選挙を遅らせることに対して抵抗しているのが公明党と。この理由は様々なところで語られていますが、次の東京都議選のために、都内に信者を移動させるための時間を欲しいというお話。

まあ、あらかじめ言っておきますと、私は公明党及び某学会が大嫌いですので。政策的なスタンスではないです。単に宗教で票を集めるやり方に対する絶対的な拒否感です。2001年の参議院比例代表非拘束名簿式の開票結果で、凄まじいまでの票の横並びというか調整を見たとき、ああ、こいつらに政治的な介入を許したら負けだな、と思ったものです。非拘束名簿式の比例代表は、政党選びだけではなく、政治家個人に対する投票が可能で、その票の多寡に応じて、政党内での名簿の順位が変動する方式な訳です。それによって、国民から全く信任を得ていないのに党内での影響力から高い比例代表の順位に居座る政治家を排除しようということが目的だったのだと理解しています*1。そのときの、公明党の議員に対する投票は、当落ラインまで綺麗に計算し当選する人は当選するべくして当選するという、党内の調整が明確に見えるものでした(興味のある方はこちらをご参考までhttp://www.geocities.co.jp/HeartLand-Poplar/5755/sangiin2001-hireidaihyou.htm)。これは明らかに党内(というよりは学会内)の調整であり、明確に投票先に対する指示が行われたとしか思えないでしょう?政党を支持するのはともかく、宗教団体から投票先に対する指示が行われ、その通りに投票する信者がこれだけ居る(一方でそれ以外の人間からの支持はこの調整に影響を与えないほどに極めて少ない)、これが政教分離に反しないとは到底思えない、それが私が公明党を忌み嫌う理由です。

そもそも、公明党は、勝った側に付けばいいじゃないという側面と、東京都議選が大事という側面で動いているわけですね。

まず、自民党が惨敗する可能性があっても、パン(自民党)が無ければお菓子(民主党)を食べれば良いじゃない、的に考えているのではないか、と。そもそも、少数派の政党である公明党に、多数派である自民党が配慮して動かなくてはいけないこと自体が、民主主義としては裏切りに等しいと言えませんか?

なので、今の公明党に対する政教分離の原則に反するのではないのかという民主党の主張には好感を感じるわけです。これは、民主党が政権を取った際に、公明党との連立はあり得ないと言っているに等しいわけで、現状の公明党に反感を覚える人間にとっては、魅力的に聞こえます(まあ、時にそれをあっさり裏切ってくれるのが政治家ですが)。

また、東京都議選に関しては、全国から某信者を都内に集めて選挙対策をするという動きをみせるのが、都内在住者としては、極めて不快で仕方がないのです。そもそも、地方政治は、その地方に住む人間の声を反映するためのものなのに、そこにわざわざ介入してまで票を集めますか…。こう言うのを見ていると、個人としての政治的判断力が無いようにしか見えない、宗教の信者に選挙権は無くても良いんじゃないかと、真剣に思いますね。むしろ、そういう法律が必要なんじゃないですか?

ちなみに、公明党東京都議選固執するのは、東京都議選公明党の政治的な発祥の地であるからで、都議の中では党内で国会議員より偉いとかあるんだそうで。

まあ、そういうことで言えば、今、解散総選挙が遅くなっているのは、公明党の東京都内への移民が滞ると言う点ではありがたいと思っていますね。

*1:結果的には、客寄せパンダを乱立することによる票集めが進み、政治家より票を集めた元芸能人とか、問題を露呈しまくってましたが…