アメノミハシラ(PSP):早くもだれてきた

タイトルの通り…現在、天狗の森で天狗の眼鏡を手に入れた辺りですが、早くもだれ始めてきています。ん〜、まあ、ゲームバランスとかそこまで悪い訳じゃないんですけど…作業感が強いんです。
マップがやたら広いですし、敵との遭遇回数が多い。それでいて、敵も強敵というわけでもなく。ウィズとかエルミナージュとかだと、少し強くなって調子に乗っているといきなり死者がでて、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、って感じに反省するフェイズがあって、それで気が引き締まるとか、学習するとか、まあ、そう言うのがある訳じゃないですか。本作ではそれがない。本作は、どちらかというと、戦闘回数をひたすらこなす必要があって、自然にレベルが付いてくるタイプのゲームになっているのです。手に入る経験値は少ないモノの、序盤はガンガンレベルが上がります。ただ、逆に、有る程度強くなると今度は必要経験値が増えてきてレベルが上がらなくなる。つまり、経験値の入手量で適正なレベルに自動調整される普通のRPGになっています。
で、普通のRPGでいいじゃん、何がいけないの?と言われて…こんなのウィズじゃねぇ…って返してしまうと、単なる信者の妄言になってしまうのですが、そういうことが言いたいわけでもないんですよねぇ。いや、まあ、私、ウィズ系大好きですし、シビアなバランスの方がどっちかというと好きですけどね?
上手く言えないんですけど、従来のウィズやエルミナージュでは許されていた面倒くさい部分とかが、本作の緩さとミスマッチを起こしている感がするというか…。例えば、固定ポイントでのエンカウントのシステムとか、宝箱のシステムとかって、戦闘回数が少ないから許されている部分って有ると思うんですよ。シビアな戦闘で、全力で戦えるのは多くても数回程度、って感じで徐々に探索範囲を拡げていく。時には撤退を余儀なくされる。もちろん、有る程度強さが安定してくると連続して戦闘もこなせるようになるわけですが、新しいダンジョンやフロアに到達して、いきなり右から左まで全部踏破できるような、そんなバランスではないのが従来なわけです。なので、宝箱開けて鑑定して一喜一憂して、というのが許される。でも、それがただただ回数をこなすことになると、途端に面倒な作業に成り下がる。
本作では、敵が強い訳じゃないし、MP消費も殆ど無く、むしろ親切すぎるくらい回復の泉がそこかしこにあって、確実に全回復してくれる。これはすなわち、街に帰るような面倒なしに探索を続けろ、ということでしょう。すると、従来のシステムを引き継いでいる1人の持てるアイテム数の制限のシビアさが足かせになってしまい、アイテムの整理や売りに戻る手間が途端に面倒臭くなる。敵が強くて詰まることも無いので、強い武器を探そうというインセンティブもあまり起きないし、戦闘回数自体は稼げるから、ある程度自然に集まるし…。前のマップに戻ってレベル上げとか、パーティー編成を変えてみようとか、そういう要素も無い。
魔法も、ランク制からMP制になったが、そうすると、ランク制の時にはやりくりの都合上使われていた一部の魔法を使う意義が見いだせなくなっている。むしろ、MP制に移行するなら、それに併せて、丁寧に魔法の種類と効果と消費MPを吟味する必要があるはずなのに、その形跡が見いだせない。むしろ、長い探索で無補給でもMPを半分以上消費するようなことが無い段階で、バランスが間違っているのではないかと…。
じゃあ、難易度を上げれば良いのか?と言われると、今度は2倍以上に広くなったマップが、やってられなさを引き起こしそうな予感。というか、マップ、確かに広くなって居るんですけど、ギミックとかが豊富な訳でもなく、薄めて敵を配置しただけ、という感じが…。
そう言う意味では、最初の学校の段階から、微妙に風景というか、マップにやる気が感じられないんですよねぇ。なんとなく、教室っぽいところは単なる長方形の部屋で、机の一つもない。職員室には机がありましたが、あれも、何?という感じのもので。後は所々の壁際にある本棚程度。トイレっぽいところも有るのですが、メッセージの一つも無ければ、単なる空白の個室などがあるだけ。そこに、男女一緒で男子トイレと女子トイレを順番に探索する…いやいやいや、寸劇の一つでも入れようぜ。正直、真・女神転生if...の学校や、初代ペルソナの学校の方が、よほど学校らしかったと思うのですよ。


ん〜、そう言う意味では、多分、本作はこれが売りって感じのモノが何も感じられないんだなぁ、と。ウィズやエルミナージュの場合、探索する楽しみなり、シビアなバランスなり、アイテムを収集する喜びなりがあった。ドラクエなんかは、強くなるという部分に加えて、一見陳腐に見えますが、世界を救う、人を助けて感謝されるという喜びの部分があるんですよね。そういう演出が作り込まれている。
しかし、本作では、戦闘が楽しいわけでもなく、シナリオが面白くてやりがいがあるわけでもなく、細かい演出に感心させられるわけでもなく、新しさを感じるわけでもなく。…あれ?ひょっとして、もう限りなくクソゲーに近いところまで来てるんじゃあないかな?


とりあえず、最後までプレーしたわけではないので、断じるのは早計とは思うのですが、本作は多分難易度低いのだと思います。ならば、初めてウィズやエルミナージュをプレーする人にお勧めできるかというと、別物だと思うので、ウィズやエルミナージュの入門としてはオススメしたくないです。というか、むしろ、ポケモン始めて放置したゴシックの続きをやるほうがいい気がしてきた…。