東方ポケット戦争2:案外と…

普通。いや、まあ、面白いというか、中毒性は高いのです。ただ、ゲームとしての出来が凄く良いかというと…微妙。東方系のキャラに対する愛情が元々深くて、好みのキャラでパーティーを組みたいぜっ!とか、強く…強くなりたいんです!みたいな道の探求者には、オススメ。あと、リアルで、ガチャには手を出してはいけないよ、という示唆には富んでいるような。
日本語について…前作からの汎用で使い回しているかもしれない部分は、ちょっとまだ変…。特に、各キャラの好感度とか上げるために、訪問した時のセリフなど。ライバルっぽいパーティーの言動も、状況が分からず意味不明だし、戦闘後の各キャラのセリフは共通でまるで拳王様だし。魔改造王様ゲーム(という表現も微妙だが)のためのバトルをお願いすると、これも全キャラ共通で「いきなり決闘かよっ!」とか言われて、え?いきなりも何も無いと思うし、ついでに決闘って大げさな…と。決闘はデュエルの訳なんでしょうが、それを決闘と直訳すると、日本語では殺し合いのイメージが強すぎるし…。そのキャラクターが好きで、そのキャラクターに会いに行っている部分もあるだけに、ちょっとでいいから、個々人の個性に溢れた一言があると安らぐのになぁ、と。
後、システム面でもキャラの好感度上げの部分は微妙。軽く説明すると…好感度は各キャラ共に最初は0、500が最大。それに加えてキャラ毎に元々の追っかけみたいなライバルパーティーが設定されていて、ライバルの好感度が存在する。どうも、このライバルの好感度を0にするのが、キャラ攻略の条件らしい。攻略すると魔改造と呼ばれる、ディスガイアとかにおける転生(少し強くなってレベル1からやりなおし)に近いシステムが開放される仕組み。では、自らの好感度は?というと、これは、キャラ毎に存在するアバターのうち、装備するのに好感度が条件となるアバターが開放されるというものらしい。
好感度の上げ方はバトルとプレゼントがあり…プレゼントはあまり手に入らない上に、好みかどうかの判定が微妙。バトルでは、ライバルパーティーと戦闘し、戦闘に勝利することで勝った方の好感度が50上がり、負けた方の好感度が50下がる仕組み。神経衰弱などのボーナスでライバルパーティーの好感度の下がり方が増えたりはする。これに加えて、バトル中に提示される各種条件を満たすことでも、好感度は50〜100ほど変動する。
この好感度上げの基本となるバトルだが…マップ上の1カ所に、複数のキャラが存在する(あるいは開放されているというべきか)場所では、ライバルパーティーとの戦闘を行う際に出てくるライバルパーティーがランダムになる…。つまり未攻略のキャラが沢山いる場所は誰の追っかけが出てくるかが選択不可。最終的には、そのエリアに出てくる全ての追っかけをねじ伏せれば、全部出てこなくなるので解決なんだが…別に目当てでもないキャラのライバルパーティーを無駄にねじ伏せていく作業は若干苦痛。
次に、一度ねじ伏せてしまったライバルパーティーは解散してしまうのか、出てこなくなるので、該当キャラの好感度が最大になっていなくても、この手段で好感度が上げられなくなる。ストーリーやイベントの選択肢など以外で上がるものを除けば、プレゼントに頼るしか無くなるのである。特に神経衰弱で、ライバルパーティーの好感度の下がり方を倍にしていたりして、戦闘を重ねると、ライバルパーティーの好感度の下がり方が早いため、自分の好感度が低いままだったりすることがあり、若干面倒くさい。もっとも、自分の好感度が影響するのもアバターの着せ替えだけなので、要らないと割り切れるなら要らない…。
あと、プレゼントの使い方として、ライバルパーティーとの戦闘勝利時のボーナスでプレゼントを引いた時のみ、ライバルパーティーがキャラに対して送る献上品をすり替えるという選択肢が出るのだが…。先の通り、新たなプレゼントを引いた時のみすり替え可能。でもすり替えるプレゼントは、自分の持っているストックの全部から選択可能。よくわからん。あと、すり替えと言っているが、本来ライバルパーティーが持っていたはずのアイテムなどは代わりに手に入ったりしない。そして、すり替えたアイテムをライバルパーティーがキャラに送るところまで描写されるが…クリティカルに苦手なアイテムが有るのかは分からないが、苦手なアイテムを送っても、ライバルパーティーの好感度は何故かしっかり30上がる…。ちなみに、すり替えないとそもそも、ライバルパーティーが贈り物をする描写はなく、好感度の増減はない。なので余計なことをしなければ、良かったのに、という状況になる。…事実上、すり替えを行うという行為自体が地雷になってしまっている。
後は、ライバルパーティーの名称が、割りとネタに走っているのは分かるが…、名称の一部はキャラ本人を風刺する(?)もので有ったりするので、ライバルパーティーのことだと分からない場合がある。さとりが出てきてパーティー名が小五ロリだと、本人が喋っているのかと思ったり。もちろん、言葉の内容を見れば、本人ではなくライバルパーティーなのだと分かるはずなのだが、前述の通りその日本語がわけわからんので余計に???となる。
後は、前作の仕様がどうだったか忘れましたが、レベルアップ時の次に必要な経験値の表示が、カーソル当てて一拍おいて出てくるポップアップを待たないと分からないので見づらい。ACEシステムが機能するのがかなり後になってからのみで、説明書には書いてあるが、ゲーム中の言及はなく、序盤のポイントの配分自体が無駄で有ることが分かりづらい。逆に、回数さえこなせば全員がACEになるので、微妙に特別っぽさがない。まあ、この辺は些細な問題点なので…。

初めてプレーする場合の基礎知識

まず、本作ですが…攻撃が当たらない!
これが、誰しも直面する最初の問題だと思います。本作は、基本的に攻撃の命中率が低いです。なので、攻撃をきちんと当てるための方策が必要です。また、距離が合っていないと攻撃手段が無くて苦労する場合もあります。アシストの効果で命中率が下がってしまっている場合もあります。このように色んな要素があるので慣れが必要なのです。以下に注意すべき要素について説明していきましょう。

キャラの個性

好きなキャラを育てればOK…と言いたいところですが、そもそも、新しいガチャガチャの弾が開放されるには多少時間やシナリオの進行が必要となります。そのため、序盤は特に開放されているキャラが限定されてしまいます。また、そのキャラにも個性がそれぞれあります。個性の内容には、パラメータ、パラメータの伸ばしやすさ(必要経験値の面で)に加えて、覆し難いスペルカード能力の違いとAssist能力の違いがあります。
まず、パラメータの違いで、MPとその回復力から、大技を連発しやすいキャラなのか、燃費の良い技を使っていくべきなのか、などの個性が見て取れます。また、伸ばしやすいパラメータからも、回避型でやや火力が低かったり、回避は低くHPで受け止めるタイプだったり、攻撃力は高いが命中が低い一発屋タイプだったりといった違いが見て取れます。ただ、序盤は、有る程度きちんと当てていくことが大事になるため、極端に命中や攻撃が低いキャラは作らない方が良いと思います。序盤は他の要素で補完が難しいですし。また、装備アイテムで、弱点を補完するのもいいですね。
スペルカード能力は、序盤は種類も少な目ですが、レベルを上げることはあまり考えず、まず、使いやすいように6枚揃えておくことが重要かと。また、そのスペルカードの能力から、キャラ毎にどの距離への攻撃が得意か、という個性が分かります。最初で言えば、咲夜さんが比較的近距離、霊夢と文が中距離から万能寄り、魔理沙レミリアが遠距離が得意でしょう。一方で、敵との陣形の都合上、どうしても有る程度、3つの距離の全てに対応できるのが望ましいのです。特に、陣形によっては中距離や遠距離は単独で、敵3体に攻撃できる状況も発生しますが、近距離は絶対に攻撃できないキャラが出ます(相手の一番奥のキャラは自陣から絶対に3マス以上離れるので)。なので、近距離に偏重したキャラを複数入れるなどすると、攻撃が通りづらい状況が発生しやすくなり、詰みやすくなってしまいます。
アシスト関連は、弾幕ということで後述予定。

Env.Sphere

非想天とかの天候みたいなやつですね。あるいは、古くはSFC幽々白書みたいな…。1ターン毎に更新されていき、落ちゲーの予告みたいな感じで2つ先まで予告されていて、さらに、状況によっては自分で操作も可能です。どの天候も大事ではあるんですが、特に攻撃を当てて勝つということで言うと、重要なのは「澄」、次いで「劫」、んでもって「源」、ついでに「華」でしょうか。
「澄」は最終命中率が2倍になるため、敵味方共に攻撃が当たりやすく、チャンスでもピンチでもある状態です。普段50%しかない命中率でも100%になりますので。これを見越してチャージやスペルカードのリセットをかけておくというのは常套手段の一つです。
攻撃を当てられる算段があるなら強力なのが「劫」です。攻撃の威力が2倍になる代わりにMPを全消費してしまいます。あらかじめMPが発動するためにギリギリしか残っていなかったり、ほぼ全MPを消費する大技などを使う場合にはMP全消費のペナルティの影響が比較的小さめですね。これを見越して事前に命中や威力上昇の補助スペルを重ねておくのも一つの手でしょう。
「源」はMP全回復。MPの回復力が低いキャラにとって特に恩恵が大きいでしょう。敵からも積極的にスペルが飛んできそうなのが恐いところですが。この場の前にチャージをするのは無駄なので、MPを使うべく大技を撃ったり、チャージではなくスペルカードリセットを優先したりといった工夫が可能でしょう。
「華」はMP消費無効化。スペルカードは消費しますが、MPを消費しないため、MPの気兼ねなく大技を放つことが可能。事前にチャージなどでMPが多い状態を維持しておくと良い感じ。逆に「華」中にチャージする羽目になるのはちょっと悲しい…。
攻撃にはあまり関係しませんが、留意しておきたいのが「癒」。こちらは、詰む原因にもなりやすいので。基本的にはHPの割合回復効果なのですが…。1対1になり、お互いに低火力、低命中率の状態で延々攻撃とチャージとリセットを繰り返すような状況に陥ってしまった場合「癒」の回復量をお互いに上回れなくなり、千日手状態になる原因になったりするのです。試合には負けていないのですが、事実上時間ばかり経過して勝てない状態は、敗北でやり直すより質が悪い状態なので、早めに見切りを付けることをオススメします。

弾幕

最初はあまり意識しないと思いますが、結構大きな罠なのがこの弾幕。試合が長引いて、延々、お互いの攻撃が当たらない状態になっているときとか、キャラの表示エリアの下の項目のうち、HITの欄が(ついでにATKも)お互いに-15とかになっていたりするのではないでしょうか。この命中補正のマイナスが余計に、命中率を押し下げる原因となってしまっているのです。とりあえず、この部分の説明を軽くしておきましょう。
弾幕に関しては、攻撃弾幕と防御弾幕があります。このうちどちらかと言えば大事なのは防御弾幕になるかと。少なくとも、攻撃を当てて勝つためには。言葉の上では一見すると矛盾しているようですが、防御弾幕とは自陣を強化するバフであり、攻撃弾幕とは相手を弱体化するデバフだからです。また、このバフ、デバフのうち、攻撃と命中を高めるのは自陣に対して、攻撃と命中を下げるのは相手に対してという関係になっているのです。攻撃弾幕には、相手の回避率を下げたり、防御力を下げたりといった概念が無いのです。
弾幕が発生する条件は2つ。弾幕の効果があるスペルカードを発動するか、アシストキャラの能力がターンの最後に発動するかです。このうち大事なのはどちらかと言えば後者です。
まず、スペルカードに関しては、追加で攻撃または防御弾幕の効果が付与されていたりします。これらを持つものは、スペルカード自体に弾幕の効果として記載されています。どちらかと言えば大技に付与されていることが多い印象ですね。この付与されている能力分、お互いの場の弾幕の効果が増減するイメージです。これは、該当するスペルカードを使用した場合に限定されるため、頻度がやや抑えめです。ただ、意識して上手く使えれば、場の状態を変えることもできるかも知れません。なお、スペルカードに付与されている弾幕は、全体的に攻撃弾幕が多い印象があり…これらは、基本的に相手の弾幕効果を悪い方に持っていく効果が中心なのです…。なので、お互いに攻撃弾幕を撃ち合っていると、お互いに決め手のない状態に陥りやすいのです…。
一方、アシスト能力の弾幕は、アシストキャラ毎に内容が決まっています。レベルとか能力は関係ない模様。キャラはそれぞれ攻撃弾幕か、防御弾幕かのいずれかを持っており、影響を与えるパラメータの種類、その大きさ、それに発動確率が設定されています。この内容は、キャラ別のスペルカード装備画面で確認できます。逆に言えば、こんな大事な要素が、対戦前の選出時や対戦中は確認できないというのもどーかと思うのですが。発動確率は、影響を与える弾幕の種類や変動量が大きかったりすると、低めに設定されています。ただ、基本的に一気呵成で押し切ったりしない限りは、攻撃、チャージ、リセットと、ターン数の経過が多くなるシステムなので、しばらくするとアシストの効果によって場のパラメータは振り切れていることが基本です(範囲は基本+15〜-15?パラメータ次第?)。
さて、ここまで来ると、何が欲しいかおわかりでしょうか。結局、命中率の不足による決め手の不足が一番の問題になるわけです。つまり、自陣の命中率を補正する、HITに効果のある防御弾幕持ちをアシストに置くことで、命中率改善に大きな効果が見込めるわけです。
では、HITに効果のある防御弾幕持ちというのは誰が居るのか…これが、本当の序盤には居ない、という困った状態でして。第8弾までで調べてみましたところ、一番早いのが、第5弾のさとりとナズーリン。次に第6弾の天子、第7弾のえーりんと秋姉妹、第8弾がマミゾウ。なお、確率的に一番安定しているのはさとりですが、他のキャラは確率が低い分複合効果になっていたりで、好みの問題かも…。
ちなみに、きちんと検証していませんが、もし、HITの弾幕の効果が、そのまま命中率に+15%〜-15%の補正が有るのだとすると、これはかなり大きな数字と言えます。特に、元の命中率が比較的小さい時ほどその差は顕著になるわけです。例えば、元が45%も命中の場合+15%ならば60%に、-15%ならば30%になるわけで…+15%と-15%の最終的なダメージの期待値には2倍の差が出てくるわけです。まあ、もちろん、計算式にどのように関わっているかによって変わるのですが…体感ではこれくらいの差に匹敵するくらい大きな効果があるように感じました。

補助効果

補助効果はスペルカードの個性の一部ではあるのですが、これは有る程度進み、スペルカードのレベルを10まで上げる余裕が出てくる…魔改造の開放から、クリア前後くらいから有用性が高まる要素とも言えるので。補助スペカには、かなりの種類がありますが、範囲としては基本的に、味方全体、味方単体、自分限定の3つのタイプがあります。
回避やダメージ無効の効果は、次のターンなどの制限が無い限り、最初に攻撃が飛んでくる、またはダメージを喰らうまで有効です。また、攻撃UP、命中UPの効果も、自分が攻撃するまでずっと有効になっています。ですので、攻撃に関しては、複数の強化をかけてタイミングを見計らっての攻撃などが有効だったりします。また、文の全体回避UPのような効果の場合、回避UPの効果はキャラ別に持続しますので、距離の関係で攻撃を受けていないキャラの効果は残っていたりします。
あと、命中UPと回避UPの複合効果の場合、表示上は1つのバフとして見えていますが、効果自体は独立で、回避は攻撃の対象になるまで、命中は攻撃するまで有効な模様です。逆に言えば、命中の効果が残っていても、2発目の攻撃からは回避率は元に戻っている模様なのでご注意を。


とまあ、ざっと書いてみました。さて、もう少し周回させるか。