そうは言ってもなぁ

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100907/244542/?ml
いつも興味深い田原総一朗氏の記事です。とりあえず、読んでいただくのが一番だと思いますが、一応、私の理解で三行でまとめると*1、次のようになるかと思います。

  • 民主党代表戦は現状、菅氏リード、小沢氏が不利
  • 菅氏の主張は曖昧で夢が感じられない
  • 小沢氏の主張の方が面白いが、実効性に疑問も
  • 世論は検察の作り出した風評に踊らされず内容を見極めて欲しい

とまあ、そんなわけで、ちょっと興味が惹かれ、思うところもいくつかあるので、今回はこちらを軸に話を進めてみようかと思っています。
最初に私自身の、民主党代表選に対するスタンスについて。まず、党員でもサポーターでもない私からしてみれば、なるようにしかならない話という認識です。そりゃあ、投票権も無ければ、働きかけようも限られていますしね。また、私は基本的にテレビを見ませんし、両人の主張についても実のところ良く、というか全く知りません。一方、支持に関しては、犯罪者となる可能性のある小沢氏よりは消去法的に菅氏支持。ぶっちゃけ検察の作り出した風評に踊らされている一般人の典型だと思います。ただ、まあ、そういう一般人だからこそ、感じる感じ方ってのもあると思う訳なのですよ。

演説の内容を吟味するべきだと言うモノの…

演説の内容を鑑みると小沢氏の主張の方が面白い、なのに、世論調査の結果は逆だ、と上記記事では主張されていますが…そもそも、政治家の演説の舌先三寸を真に受けるとバカを見る、という認識が、世論調査に反映されない理由何じゃないかと思うんですが…。そもそも、政治家なんて選挙が近付くと都合の良いことを言って、終わったら手のひらを返すというのが、当たり前というのが一般人の認識何じゃないかと…(え?私だけ?そこまで政治に絶望していない?)。
そこまで政治に対して不信感を抱いている以上、演説を聴いていても、所詮はお祭り気分。人は祭りの場では空気に乗って騒ぐけど、祭りが終わったら、普段の生活に戻るのですよ。何時までもお祭り気分が抜けずに現実を見つめないのは単なるバカ、という認識なのではないかと思うのですよ。つまりは、一般人の普段の生活のというものに、政治家の訴える内容は届いていないのだと思うのです。

そうなると判断基準は人気のみ

政治家の訴えが届いていないということは、政策が左右に極端に傾いていたり、宗教との絡みでブラックだったりしない限り、一般的にはどうでもいい要素になってきているということでしょう。というか、都合の良いことを言っていても、いざ直面してみると実行力や打開策なんて無くて「やっぱり無理でした、次回の選挙もよろしくお願いします」みたいなことを平気で言ってのける連中だと。
そうなると、結局政治家なんて誰がやっても一緒。官僚様の手のひらの上で踊らされているに過ぎない。あとは、少しでも溜飲を下げるために、適宜みんなでお灸を据えたり、面白そうな人間を担いでみたりするだけのこと。つまり、テレビに出てくる政治家ってのは、同じようにテレビに出てくるタレントと一緒なわけですよ(10年ほど見てませんので殆ど推測ですが)。人気商売、賞味期限が切れたら適宜入れ替え。実際、有名スポーツ選手や知名度のあるタレントを起用し集票させる、しかしその後政治の舞台でその有名人の名前を聞くことは無いなんてのは、日常茶飯事ですし。小泉氏が首相になった頃からそんな感じでしょう*2。そうなった理由は色々あるとは思いますが、まあ、それはこの際置いておいて。

てめぇの顔も見飽きたぜ

で、小沢氏に対する私の認識。

自由党民主党と合流時

自民党時代から、影で色々やってきて、そもそも黒い印象のある人だったが、民主党が人気を集め始めると何故か自由党ごと移ってきて、大きな顔をし始めた。政治手法に優れているのだかなんだか知らないが、そもそも、政治手法って金なり派閥作っての権力闘争なり、そもそもが清廉潔白とは正反対の印象。そういうものでよそ者がのさばるとか、あり得ないんじゃないか?

前回衆議院選挙

とはいえ、選挙に関する手腕は優れているらしいし、今はとにかくダメな自民党にお灸を据えるのが最優先。そのために、使えるモノなら親の敵(とまでは言わないが)であっても使ってやればいい。傀儡政権とか言われるだろうけど、いつか追い出せばいい話だ。

鳩山内閣辞任

米国の不興まで買った実行力不足の勘違い内閣と、その黒幕をまとめて追い出せ。

前回参議院選

前は自民党を追い落とすことを最優先した結果、民主党勝たせすぎて、ちょっと調子に乗せ過ぎた。他に適任が居ないし、仕方がないけど、菅直人も消費税増税とか調子乗りすぎ。とりあえず、ほどほどにしとけ、という意味で調整しとこうか。

民主党代表選

ちょっ、確かにほどほどにしとけと、警告したけど、何でそれで今更ゾンビ(小沢氏+鳩山氏)が墓から出てきてるんだ?(笑)っつーか、どうせ出すなら腐ってないの出せよ。腐臭がするからゾンビは出てくんな。


かなり書き方自体はアレで少々失礼になっていますが、割とこんな感じなんじゃないかなぁ、と思いますがどうでしょう?同じような印象の方っていらっしゃいますでしょうか?*3

政治家の凄さが分からないから

私が、何故、過去の人であるはずの小沢氏や鳩山氏が未だに表舞台に立っているのか理解できない理由、少なくともそれを不自然だと感じてしまう理由は、きっと政治家の凄さが分からないからなのだと思います。
以前も書きましたが、例えば優れたスポーツ選手は見ただけでその凄さが分かりやすい。だから、人はその人の実力に見合った待遇というモノを許せるのだと思います。自分では出来ないプレーが出来る、そのプレーが自分を楽しませてくれる、だから高額な報酬を得ていても納得が出来る。
例えばスポーツ選手がチームや監督とソリが合わずに問題を起こして退団するようなことがあったが、結果別のチームに拾われた。こういった場合、起こした問題の程度や内容などにも依りますが、その選手の実力というのも印象に大きな影響を与えるでしょう。
一方で、政治の世界では、その実力というものが何であり、またどのように評価すれば良いのかが一見して分からない。そのため、特別扱いの理由が分からないのだと思います。私からしてみれば、政策的な面で菅直人氏と対立するのであれば、その対抗馬は誰であってもいいはず、と考えているのですよ。なんであえて国民の不興を買った人間が2人も出てきて居るんだ、と。政策的な面での対立ではなく、権力闘争なのだとしたら、何故失脚したはずの人間が未だに権力を握っているのか?権力を握ると言うことは、その権力を持たせている多数の人間がいると言うことですよね。そんな泥船にのっかったことを後悔させてあげないといけないんじゃないですかね?
まあ、上記の話は極端過ぎるというのは分かっています。リーダーたることの難しさというのは本人の資質、周囲の理解と言った複数の要素が関係してくるということくらいは分かりますし。ただ、小沢一郎氏の凄さが分からないから納得できないんだ、というのは間違っていないと思うのです。というのは、私自身は、起訴される以前から小沢氏を優れた政治家として認めていたことが無いからなのです。そもそも、主張が違うはずの別の党の党首が、横から油揚げをかっさらっていた用にしか見えていないのを評価しろと言われても…という。
一方、田原氏の記事では、小沢氏のハンディは主に検察やマスコミによる情報・印象操作が効き過ぎているもので、国民としてはもっと冷静に、客観的に意見に耳を傾けるべきだ、と主張されています。この内容にも当然一定の理があると思っては居ますが、それよりも、氏が私のような一般人と違うのは、菅氏にしろ小沢氏にしろ、発言を吟味するに値する政治家であると分かっているという前提があるからだと思うのですよ。それは、政治に関する多くの知識・経験・実際の面識などを通じた理解なのでしょう。

人を理解することは難しい

とはいえ、一般人にとって、その発言にさえ信を置けない政治家を正しく理解して評価しろと言われても困ってしまうわけで。他方、日常生活でさえ、他人を理解することは難しいわけで。ましてや人生経験で言えば海千山千の政治家を正しく評価しろと言われても…。
魚みたいに目を見たら鮮度が分かるとか、そんな、見分け方は無いモンでしょうかね?まあ、そういったお手軽な方法でなくても、判断基準を増やす意味で、多様なジャーナリズムというモノが必要なんじゃないかな、とか思ってみたり。

*1:ただし、宇宙人基準

*2:タレント議員はもっと前から居ますし、日本に限ったことでもないですが、特に人気のみというのが顕著になったのはこの頃という意味で

*3:正直なところ、こういった私の持っている印象が、一体誰の意図の元に操作され、すり込まれたモノなのかは、ちょっと分かりません。むしろ、色んな意図が入り交じった情報操作の集大成なのかも知れません。まあ、それは操作される側でしかない私には分かりようが内容にできているのでしょうし、気にしても仕方ありませんよね。