藍坂素敵な症候群読済

読むことが済んだで読済。で、少し前に読み済んでいたのですが、報告を忘れていました。
なかなか素敵でしたね。そして、中盤に油断してたら一気に持ってかれました。気付いたら某ファーストフード店でわびしい夕食を食べた後、そのまま居座って読み切ってました。いや、本当に、この作家さんいいなぁ。謎というか、トリックというか、意表を突かれるというかそういう部分が読んでいて気持ちいいです。私自身はそんなに大層な者では無いですが、少年漫画的に言えば、敵の居ないボスがこう「もっと意表を突いて私を楽しませてくれ」的な。日常での退屈を紛らわせてくれる何かを求めているわけですし。
全体の雰囲気としては、グロさもあるのですが、シーキューブとはまた違った感じで、これはこれで味があります。シーキューブが超常現象的とすれば、こちらはむしろサイコ寄りな感じですかね。
以下、多少ネタバレ気味につき注意。


いきなりなんですが、タイトルについて。ごめんなさい、イマイチ「の」と「な」のニュアンスの違いがわかりませんでした。国語力の欠如でしょうか。
空…ああ、ピート・ ビートね。
シーキューブもそうですが、主人公ってなんなんでしょうね?ある意味鍵を握っているけど直接は強いわけでもなくて。正体が気になるのです。今回の場合、何にでもなりえて、いずれでもない、ジョーカーのような、そんな切り札的な何か、という感じですねぇ。一方で、シーキューブの夜知君はどっちかっつーと呪い全否定みたいな人で…あれも呪いなんでしょうかね?成長している記録が有る以上彼は人なのでしょうけど…呪いを受けない呪いとか?まあ、いずれにせよ、この主人公2人とも、深くその中心となっている事象と関連がありながら、それそのものには踏み込んでいないという共通項が感じられますね。この作家さんの他の作品も読めば、他にも共通項に含まれるキャラが居たり、もっと違った印象なんかも受けるんでしょうかね?まあ、流石に今しばらくは手を広げる気は有りませんが…。
シリーズ化はどうなんでしょう?面白いと思いますが、端的に言うと敵は何?と。大きな枠で言えば症候群が生じやすい土地であることの謎、なんでしょうが、今回のボスは割と中ボスとしてはいい感じで…良すぎて次が難しくないか?とかいらない心配をしてしまうのですよ。まあ、しかし、きっと私なんかがなんら心配することなんてなかったね、となることを期待してます。