気になったニュース

要処理3兆ドル 今は「まだ2合目」

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20081002/172483/

非常に興味深かったです。先日から言っていた金融安定化法案に関する見解なども含まれていて、参考になりました。修正によって実効性が危ぶまれるというお話は聞いていましたが、具体的に何故か、修正前と何が違うのかが理解できていなかったのが、分かった気になりました。

公的資金の投入に対する紛糾に関しては、日本のバブル後の住専関連の動きと酷似しているという話も書かれてありますね。正直、当時の私は納税者でもなく、かなり関心が低かったから記憶になかったのかも知れません。

ちまみに、記事全体としては、非常に悲観的な視点で書かれていると感じました。実際、数字に関してはその通りかも知れないと思う一方で、悲観論が広がれば広がるほど傷口が大きく広がることが分かっているから、皆が思ってはいても導出しない悲観的な数字を出すこと自体に大人げなさを感じてしまいますが。死にかけてる人間に、みんなが、頑張れ、傷はそう深くないぞ、と呼びかけているときに、致命傷だね、と言い放つようなものではないかと…。

第154回今まさに瓦解する市場原理主義

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/154/

こちらは、森永卓郎氏の記事。毎度ながら、面白く、また勉強になります。

以下原文より

 だが、今回の金融危機の根はもっと深いところにある。米国型の金融システムが作り上げてきた信用バブルが、まさに崩壊しようとしているのである。サブプライムローン問題は、あくまでもきっかけに過ぎなかったのだ。

 リーマンに限らず、米国の証券会社は、そうしたインチキ商品を山のように作りあげて、右から左に金を稼ぐというやり方をしていたのである。言い換えれば、米国全体の金融システムが詐欺に満ち溢れていたのである。

これらに関しましては、参考になりますし、また、その通りなんだろうな、と思いますね。

それから、今回のお話が100年前に英国が辿った道と似ているというお話も、近代史などに関して不勉強な私にとっては勉強になりました。

最後には

 わたしはいま、「まじめに働こうキャンペーン」を一人で始めたところである。人間というものは、汗水たらしてモノやサービスを作りだすことに価値を見いだすべきではないだろうか。少なくとも、金を右から左に動かすことだけで、人の作りあげた付加価値を奪ってはいけないと思うのだ。

と締めくくられています。特に資源の無い日本などにおいては、付加的な価値を生み出すことが大切であるが、そういった価値を不当に搾取していることが、結果的に価値を生み出す意欲を削ぎ、他の産業の衰退と金融業への一極化を推し進める。そして、その実態のないお金を生み出すシステムが崩壊した後には何も残らない、と。

日本でも近年、物作りのコストで中国などの新興国に太刀打ち出来ないのなら、工業は捨てて金融で食えば良い、というような論調も有りましたが、個人的にはあり得ないと思うと共に強い不快感を覚えていたものです(何年か前にK先生と飲んだ席でそう言う話になった記憶があるなぁ、いや身内の話ですが)。それは実態として、今あるお金を武器に、そういった新興国の生み出す価値を搾取しようという話なわけですから。まあ、実際には米国などと競合して行う以上、日本の未熟な金融業界が対抗できるとは到底思えませんでしたが。少なくとも、今も昔も日本の金融業は、自分たちで貸し付ける際の利子を決められる、すなわち自分たちの給料を自分たちで設定できるという点で、安定して高給を稼いでいるものの、米国のように錬金術が可能なほどの智の粋を集めたものではなく、所詮真似事だとは思っていましたから(米国の金融業界が崩壊したのだから向こうの方が病んでいたということではないかという主張もあるかも知れませんが、ここで言っているのは少なくとも米国の錬金術のルールという土俵において戦う上では勝負にならなかっただろう、というお話で、錬金術そのものが病んでいるかどうかが論点ではないです)。

閑話休題

気になったのは2点。

過去に繰り返し起きている、産業の発展から、資本の台頭、産業の空洞化からバブルの崩壊という流れを防ぐ方法って有るんですか?ということ。今回の記事でも、これが米国の市場原理主義の崩壊だとは言われています。でも、それって、次なるバブルへ向けた始まりでしかないのでは?と思うわけです。そう言う意味では、実態の価値をきちんと評価すると共に、錬金術によって生み出されたお金によって価値を搾取することを防ぐことが出来ないと、何度でも同じ轍を踏みますよね?でもそれって不可能じゃない?これが1点目。

今回の件で、米国は立ち直れるのでしょうか?空洞化した産業を立て直すことは可能なのか?これが与える世界全体への影響、勢力図の変化などはあるのか?中国を始めとする諸国の台頭は?これが2点目。

以上、教えてエロい人。

インチキ枕と横長画面

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20081001/158966/

4:3のPC用ディスプレイが中々手に入らなくなっていて、困っているたをるです。枕と横長画面と言われれば、読まざるを得ませんでした。残念ながらこちらの記事での横長画面批判はテレビのお話で、現在のPCようディスプレイ市場の惨状(私にとって)を物語るもので無かったのは残念で仕方有りません。まあ、一言言わせてい頂くと、

エロゲの画面は4:3なんだよ!横に黒い枠があると集中できないんだよ!

お見苦しいところをお見せ致しましてすいません。

全体的に、物作り、特に実態の見え辛いものの研究に携わるものとして、身につまされる思いです。一方で、ちょっとまともな研究者、と言わずとも、理系的な知識が有る程度有る人間ならすぐ見破れる類のものじゃないですかねぇ、とも思います。

話が少し逸れますが、スラッシュドットなどでもこの手のニセ科学(今回の記事はむしろはっきりとした詐欺の例ですが)の話題は良く取り上げられています。

http://slashdot.jp/article.pl?sid=08/04/01/037205

http://slashdot.jp/article.pl?sid=06/01/06/0342256

http://slashdot.jp/article.pl?sid=08/09/09/0929256

http://slashdot.jp/article.pl?sid=07/09/19/1044204

http://slashdot.jp/article.pl?sid=06/11/28/1143240

http://slashdot.jp/article.pl?sid=07/06/18/2058212

特にマイナスイオン関係などは、未だにどこの家電も書いてますが、ぶっちゃけ、それ何ですか?と言いたくなりますね*1。まあ、ちょっとでも電気かじったことのある人間なら、いかにイオンが不安定で、その中でも陰イオン*2が、実効レベルで生み出すのが困難かということくらい理解できるものですが。

と、愚痴になってしましましたので、話を戻して。冒頭の文章、気になった部分があったので取り上げてみました。それは…。

 それが、枕、カバー、足枕のセットとして6980円で販売されていた。

7000円?それは安物だなぁ。中身合わせてだとと3倍が相場じゃねぇ?え?枕違い?

以上、失礼致しました。

*1:自分の勤め先も例外でなかったりするので本気で辞めて欲しいのだが、自社のものをひっくるめてあれはインチキですと言う身になって欲しい

*2:マイナスイオンという代物が陰イオンのことだとは到底思えない側面もあるが、そうでないならなおさら何をそう呼んでいるんだ?と言いたい