けんぷファー12巻、読締

読みあげて締めるで読締。その気になれば、案外続くモノですね。想像力を超え、「創造力」をも凌駕する、それが『妄想力』!*1
完結したのですね、けんぷファー。コメントは、ちょっと難しいかな。色んな意味で全体的に薄味で、終盤笑える場所も少な目で、シリアス調なんだけど、謎が微妙になんじゃそりゃー、で伏線回収に失敗している気がひしひしとするけど、まあ、三郷雫様が活躍している限りは良いか、と思ったらそんなにでもなくて…。紅音の過去、父親との関係とかも、もう少し本筋に関係があるのか?と思いきや、そこも薄味だし…。そもそも、青とか赤とか自体が妄言な楓ワールド?を最有力と思っていた私にしてみれば、その辺も消化不良だし、白の目的も、そもそもナツルが鍵の理由も、実質そういうルールになったから、って言われているだけで、明確な説明はないし、雫に拘る理由もわからなければ、最後には誰彼構わず勧誘するし…。戦闘では主人公が空気だし、結局ツァウバーは珍しい、という希少価値以外に見所が殆ど全く無かったような。
大体、猛犬紅音の場合、消えることに未練が生じて、ナツルと一緒に居たいという理由だったとして、そのためにナツル裏切ってどうするんだよ、と…。他にすがれるモノの無い人間が弱みにつけ込まれる様子と言えば、まあ、そういうモノなのかも知れないが…。そして、実は猛犬verが一番とCO(カミングアウト)するナツル…今まで読んでた感じではノーマル紅音が一番ポイント高いんじゃないかと思ってたのに、いきなりそっちか!と。いやまあ、確かに作中で一番生き生きしてましたけどね…結論、ナツルはマゾ。
あと、楓がナツルに拘って引き込もうとする理由がイマイチわかりませんでした。私が混乱しているだけかも知れませんが、ナツルがケンプファー(女)として戦い続けるのを拒否る(男として生きる)=赤の勝利(だっけ?)で良いじゃんと思ったりしたのですが、それは認められないんですかね?システムの崩壊が困る、みたいな話だと、赤が勝つか青が勝つかの指標にナツルを使うというのも変なような。

それでも、最終巻まで読み切る気になったのは何故かというと…キャラクターに対する描写の魅力、ですかねぇ?会話の展開、細かなエピソードを通じてキャラが立っていて、その描写が魅力的なのはあると思います。ちょっと、話がおおざっぱで、説得力が無くて、世界観の構築が曖昧で、戦闘描写が空気だったりするけど、それを補って余りあるキャラの魅力で成り立っているのです。けんぷファーの半分は、3人のヒロイン達の描写のかわいらしさ、一途さ、いじらしさで出来ています(それも見た目より内面的な)と言ってもきっと過言ではない。
最後に、この作品は主人公に萌える作品らしい、って言ってた友人殿、その言葉はかなり驚かされました。が、今となっては本質を突いていたようにも思えるようになりました。

*1:from痴漢者トーマス2。元ネタが元ネタだけに使い勝手は悪いんだが、感心した言葉、自分の中での名言と言っても良いかもしれない