帰国に向けて

鉄道で

ヘルシンキ-成田間の直行便が1日1便しかない上に、金曜日発の成田行きの便が無いこと、学会が金曜日までで木曜日に参加しつつ、木曜日の便で帰ることが不可能なこともあって、途中の道程でやたらと学会でみたよーな顔が…。

何かを気取りたいわけでもないのですが、帰りの道程位は「あははははははははは、フリーダム!誰も私を止められない!」*1みたいなテンションで帰りたいところが…。むしろ、こちらもひょっとすると顔と所属が割れている可能性がある分、あまり羽目を外すわけにも行かず。帰るまでが仕事です、って言われるとそれまでなんですけどねー…。

とりあえず、午前中の列車でトゥルクからヘルシンキへ。その段階で既に、学会参加者が結構見受けられました。まあ、帰りの列車の切符を当日に購入している方がいらっしゃら無かったのは印象的でしたが…。帰りの便が決まっている以上、列車の時間の考慮とか手配とか当たり前だろうということなんでしょうかねぇ。別に1時間に1本有るし、私が乗った列車でも空港に直行すると5時間程前に付くわけで、朝起きられなくて列車を逃すことを考えると、当日手配しても良いんじゃないかと思うんですけど…私が変なのかな?まあ、どうでもいいですけど。

ヘルシンキ中央駅にて

ヘルシンキ中央駅に到着。予定通りここで時間を潰すことに。コインロッカーにスーツケースだけ預けて行動開始。コインロッカーはサイズ次第ですが、私が使ったスーツケースが楽に複数入りそうなサイズで4ユーロ。ちなみに、駅のトイレが1ユーロ。行きは利用することがなく気付きませんでしたが、駅のトイレがデフォというのは…別に綺麗じゃないし。

まずは、空港行きのバスの乗り場を確認。行きの際に利用したFinAirのバスが5.90ユーロに対して、市バス?みたいな615番のバスも発見。そちらは4ユーロ弱と料金が少し安いが、所謂観光バスチックな乗り方ではなくあくまで市バス。そこにスーツケースを抱えて乗り込まれる方々ばかりでしたが…。バスの頻度や所要時間もイマイチ不明だったのでFinAirのバスを利用しようかと漠然と。

昼食は駅の構内のホットドッグ屋さんで、ホットドッグのセットを。まあ、この辺はもう慣れたもので。自発的にはファーストフードしか食ってないからな!とりあえず、英語は通じるのでメニューとかみて、これくれと言えば後のフォローは向こうがしてくれる!

ファーストフードと言えば、駅前でマクド発見。行きは時間的にも周りを見ていませんでしたから気付きませんでしたが。外国人もいるヘルシンキの街中だとブランドイメージもあってか、マクドナルド一色なんですかねぇ。一応、マクドは2店舗見ましたが、件のHesburgerは見かけませんでしたね。あと、トゥルクでは見なかったピザハットもありましたね。

適当に練り歩いて、商店街をぶらぶらと。ホテルも比較的多く、両替とかもあるところを見ると、観光場所の模様。ただ、国柄なのか日本人観光客を見ることもなく。

適当に駅から東に向かって歩いていたら、大きな鐘の音が鳴り響いてくるのでそれを見に行きました。なんか、後で調べると観光地図にも載っているヘルシンキ大聖堂だとか。まあ、単にごっつい教会ですね。ちなみに気になった理由は鐘の音がひたすら鳴り響き続けていたこと。そのくせ時間は12時45分ちょっと前くらいと中途半端だったから。ヘルシンキでは15分おきにガンガン鐘が鳴るのか?と。

近づいていくと、なんか小高くなった先に真っ白な壁や柱と、エメラルドグリーン…というほど鮮やかでもない緑色の屋根の大聖堂が見えてきました。ちなみに、鐘の音は通り1つ分くらい手前で鳴りやんでしまい、なんか、おびき寄せられた感が…くっ!釣られた?!

さらに近づくと、その前には結構な広さのある広場が。構図としては、大聖堂がありその南側が正面なのでしょう。そこから、階段が続き下に街の一区画分くらいの石畳の広場が。その広場の周囲を道路が走っている感じですね。ちなみに、階段と広場との間にも細い車道が走ってました*2。広場の中心にはなんか像が…。道路を隔てて向こう側にはその区画を取り囲むように石造りの建物がしっかりと壁?みたいになっている感じで、意図された構図なんだろうなぁ、と。ちなみに、観光スポットらしく、欧米人向けみたいですが、ツアーのバスが数台広場の南側に付けていたのも印象的でした。

一度、正面に回って広場から眺めてみました。色合いは先ほどの通り、基本は白で屋根が緑。屋根には金色にの装飾が付いている感じですね。なんというか、綺麗なんですが、日本的な古さを感じるような佇まいではないのは文化の違いなのかなぁ、などと。綺麗だとは思いましたが、白に緑のコントラストや金色の派手さ、それらがきっとそれなりの頻度で塗り直されているんだろうといった風に考えると、なんとなく考えさせられるものがあるような無いような、上手く言えませんが。とりあえず、写真を添付。ここの低い解像度では上手く見えませんが、携帯で撮影したもので元も大した写真じゃないので。

今度は階段を上ってみることに。…しんどい。運動しろ。うん…。

正面から適当に西側に回って見ていると…おや?なんか、扉が開いているねぇ、と近づくと結構まともな身なりの方々が沢山出てこられるのですよ…。

???

こちらに来て、ほぼ見ることの無かったスーツ姿の方々が割と大勢。で、なんか、外出てきて数人ずつで談笑されている。

…あーあーあー、これ結婚式だ…。うん、気付いたときには、親族一同が談笑されている中に紛れている観光客の図でした。何してるんだ、私は…。つまりは、先の鐘の音は祝福の鐘で、んで、もろもろが終わって出てこられたところに鉢合わせしたと…。

ちなみに、その場から退散して、北側に向かって歩いていったら、オープンカーに乗った新郎新婦とおぼしきを乗せた車がぐるっと回ってきたのか大聖堂の方に向かって南下していくのも見えました。まあ、どこのどなたかは存じ上げませんし、どうでもいいですけど、お幸せに。

ヘルシンキ空港

適当に切り上げて予定通りFinAirのバスを使って空港に向かいました。まあ、30分という所要時間が分かっているのと、空港行き専用バスなので安心感があるのとが大きいですね。

空港内でおみやげのチョコレートを購入。ついでに、ムーミンのマグカップに惹かれこれを2つ購入。うん、自分で使っても良いけど、実家か弟夫婦へのおみやげにしよう。ちなみに、12.50ユーロ×2で、ホテル代、列車のチケットを除くと単品では間違いなく一番高い買い物でした。

ところで、空港内では日本人の方も大勢見かけました。案内板の前で10数人固まって、1人の女性の引率者の説明を聞いている一団に遭遇したり…。ちなみに、何語なのかは知らんですが、日本人以外にも似たようなアジア人の集団は見かけました。まあ、どこもそんなものか…*3

ところで、空港内の手荷物検査後の中の飲み物の値段は、外の約2倍。3ユーロが基本でした。日本語で「高すぎる、フィンランド人はよほど裕福なんだろう」と言ってらっしゃる、新婚(?)夫婦とか。うん、まあ、確かに日本の3〜4倍の値段だから高いんですが…液体持ち込み禁止語のターミナルだからぼってるんだという認識も必要だよね。街のキオスクでペットボトル買うような機会がなかったら分からないのかも知れませんが、フィンランド人でもその値段では買いませんよ…。私は、駅で事前に買ったコカコーラゼロをバス内とチェックイン後、手荷物検査前に飲み干すことで、機内までは我慢の体勢で。

で、便は順調に1時間遅延。まあ、ロビーにて携帯ゲームで遊ぶ時間が1時間長くなっただけでしたが。飲食の誘惑に耐えて機内に乗り込みます。

機内にて

機内では、行きの日本人以外の方々に囲まれていた環境から、なんか、明らかに学会関係の方々と同じ列に…。しかも、なんかみんな論文読んだりしてるし…。えー…なんか私だけゲームし辛いじゃないですか…もうちょっと遊ぼうよ、みんな。

まあ、そういう私も、基本的には時間が6時間進み朝に到着するので、最初から寝る体勢でしたが。機内食が出るまでには寝られませんでしたが、その後は6時間ほど睡眠。

ところで、進行方向左側の窓際の席だったのですが、非常に綺麗な景色が見られました。

行きは昼前から太陽を追いかけて、飛ぶことでずっと昼だったのですが。帰りは逆に、9時間の飛行と実質7時間分(サマータイムなので現地時間は6時間差だが)の時間の進みで、夕方に経って夜を早送りして、次の朝に到着する形なのですよね。ですので、離陸後、しばらくして日が沈みました。私の側は太陽とは逆側なので、夕焼け空の境界が見られたのですが、これがなかなか面白く。

というのは、雲海の上で日が沈むと夕焼けの赤い空が雲海からせり上がってくる感じなんですね。で、上の青い空と混ざる白っぽい境界の領域があるのは普通の夕焼けと一緒なのですが、さらに時間が経過するとその赤い空の下から暗い夜の空がせり上がってくる感じで。地上にいると夜の暗さは上から振ってくる印象があったのですが、そこでは、高い空は今だ青空なのに、夕焼けの赤い空を挟んで暗い空が存在している構図が存在したのです。ちなみに、東に移動していたためやや早送り気味ということもあり、それぞれの領域の広さが刻々と変わっていく様子が見られて、なかなか興味深かったのですよ。あるところまでは、夕焼け空が広がる中で境界の白っぽい領域が広がっていたのですが、その後、暗い空がどんどんせり上がり、夕焼けの領域を塗りつぶしていく感じです。

別の景色としましては、雲海の上で一段高い雲の波が押し寄せてくるのが見られましたね。雲海と空の境界に海で見られる波頭のような白っぽい層が現れて、なんだろうと思っていたら、しばらくして、雲の波が押し寄せてきた感じでした。少し揺れたところを見ると向かい風と共にやってきた模様で、雲の密度は下に広がる雲海よりは薄い感じで、雲海は透けて見えていました。また、遠くからは、海の上を波が走るような感じで見えていましたが、実際には下の雲海とは結構な高低差があったみたいです。

後は、見られたものとしましてはウラジオストクの街が見えましたね。高低差の加減かも知れませんが、その後しばらくして見えた新潟の町並みより、ずっと小さく見えたのが印象的でした。それでも、それまで殆ど何もないシベリアの大地から、海に面した湾沿いに広がる小さな街並は、ついに端まで来たこと、もうすぐ日本に帰ってくるんだ、という意味で感慨深かったです。

とまあ、そんな感じで、窓際の席というのもいいものですね。…寒かったですけど。

*1:あ、別に元ネタはないですよ

*2:広場から大聖堂を見て近づいていったら段差踏み外しましたので

*3:観光を主目的とするならばそれが無難なのかも知れませんね。イギリス在住時にヨーロッパに旅行につれていって貰った際には、ハンドブック片手に練り歩くか、現地での欧米人向けツアーに応募したりで、行きから帰りまで面倒見て貰うパックツアーとかに参加したことがなかったので、なんか、妙な邪道感を持ってるんですよねぇ…