訂正

あー、東大教授の話聞いていて気付いた。核分裂の場合温度低いし気化していないので衝突断面積あんまり関係ないのね*1。プラズマ核融合が本業だったから勘違いしてました。というわけで、上の説明の訂正です。
今回の件、制御棒は正しく作動した結果として、連鎖的な反応、すなわち臨界は迎えない状態になっていたのですね。とはいえ、連鎖的に反応しなくても、中性子は一瞬で0(というか自然に分裂する分はあるので完全に0にはならないのですが)になるわけではないので、反応が収まるまで、そして収まっても有る程度の分裂は続いているので、熱を発し続けているわけで、それを冷却できないと今回のように溶融が発生すると。ちなみに、溶融して大量に漏れ出すと、制御棒の効果が無くなるし、やっぱり反応が加速するので熱が大量に発生して(?)、水と触れて水蒸気爆発、という流れかと思います。
今回の事故が、チェルノブイリのように臨界を超えて制御できなくなった(?)のではなく、空焚きで冷却ができなくなったスリーマイル島の例に近いみたいですね…。
ついでに、今回の福島第一・第二原発は、会見の図から見て、軽水炉の中でもBWR(Boiling Water Reactor)、沸騰水型の原子炉ですね。こっちのタイプは直接燃料棒の冷却に直接、水を用いるので水の放射化が激しく、その水、というか水蒸気で回されるタービンも放射性を帯びるので、やや環境に優しくないタイプだったと思います。

*1:実効中性子増倍率を決める要素に、燃料の温度はあまり支配的ではないのだとすれば関係ないですね。つまり発生する中性子の速度を何が決めるのか、ってこと。分裂の際のエネルギーが支配的だとすると、殆ど一定の速度になるのかも。どうなんですかね?